2022.06.13 野球部
野球部 走塁指導
5月29日。中間試験も終わった最初の日曜日。
Aチームは遠征中です。残った部員たちはどんな練習をしているのでしょうか。
早速グランドに行ってみましょう。
おや?なんだかいつもと様子が違います。
いつもならグランドに近づくと、部員の声やカキーンという打球の音が聞こえてくるはずですが・・・
声どころか物音一つしません。何かあったかな?
グランドを覗いて見ると、部員たちは1塁ベース付近で走塁の練習中です。
「集合!」の一声で部員たちがSコーチを中心に半円形を作ります。
Sコーチの説明が始まりました。先程の静かさの理由はこれだったのです。
部員の中にはメモをとる者もいます。普段の練習中ではまず見ない光景です。
部員たちはSコーチの説明に聞き入っています。
私もつられて耳を澄まします。
ん~~ん、なるほど。いや~、説明の上手なこと!私のような素人でもわかります。実行はできませんが。
論理的かつ実践的。それもそのはず。Sコーチは現在教育実習中ですから。
もちろん鶴高で。ちなみに教科は国語です。
自分が出塁した時の注意点はもちろんですが、さらにベンチからの声掛けの要点まで。
これを順番に1塁の場合、2塁の場合、3塁の場合とそれぞれ説明しては、実践させます。そして個別に注意。
もちろん褒めるところはしっかり褒めます。
Sコーチに聞いてみました。
(質問) 現役だった頃もこんな練習をしていたのですか。
(回答) いや、ありませんでしたね。
(質問) 練習スタイルも変わってきたということですか。
(回答) と言うよりも彼らにはAチームに食い込んでもらいたいですからね。
自分たちに足りないところに気づいてくれればいいのですが・・・。
今日の練習に参加している部員は20名。少人数だからこそできる最も有効な指導をSコーチは選択しました。
Sコーチにしてみれば、ただそれだけのことかもしれません。
Sコーチの心にあるのは時代の流行などではありません。
ただただ選手を伸ばしたいという揺るぎない思いなのです。
Sコーチの説明は続きます。聞いてみましょう。
「・・・知って行動するのと、知らずにやるのとでは全く違う。」
「・・・短い時間しか取れなくても繰り返せば身についていく。」
「・・・練習中は失敗することが大事。」
「・・・出来ないじゃなくて、どうすれば出来るようになるかを考える」
ん~。これって基本中の基本。ゆえにどんなことに対しても通用する心構えではないですか!!
部員たちはSコーチの話に耳を傾けています。頷いている子もいます。
どうやら部員たちにも伝わっているようですね。Sコーチが野球を通して身につけて欲しいことが・・・。
Sコーチの指示が出ました。部員たちが素早く次の練習の準備に取り掛かります。
トスバッティングが始まりました。
トスバッティングに使用するボールは、マネージャーの手作りです。
ここにも、Aチームへの参加を支えてくれている人たちがいるのです。